小葵花中国語 in 常熟

昨日は桃太郎のお話 で、
　中国語　口を開けば　主導権　

などと、少し穏やかじゃない言葉で締めくくりました。
実は、中国語のあいさつにもその傾向があります。下は「日本語から学ぶ中国語・中国語から学ぶ日本語 」からの抜粋ですが、ここからわかるように、中国語の挨拶はすべて疑問のかたちをとっています。疑問形、とくにYesかNoかを問う質問は、相手の返答に大きな制約を加える最良の形式というわけです。
 
もちろん質問の形のあいさつは日本語でも多用します。ただ「元気ですか？」と聞かれても二者択一の答えを要求されているわけではなく、回答する側の裁量でなんとでも答えられます。
これに対して、中国語の疑問形のあいさつは正真正銘“掛け値なしの質問”なのです。 例えば、下の二つは同じ意味ですね。けれど、
　吃饭了吗？の方は文字通り食べたか食べてないかを聞いていて、回答は“吃了”か“还没”つまりYesかNoのいずれかしかありえません。これに対して、日本語の方は、多くの場合「ごはん食べた？」というのは、「一緒にご飯食べに行きましょう！」という意味を示しており、答え方もかなり自由です。
商売人の街、大阪では「儲かりまっか？」（赚钱了吗？）などというあいさつ言葉もあるにはありますが、これとて日本語得意の曖昧表現で切り返す方法まで、定型化しています。ある意味“やさしさと寛容”にあふれた日本社会に慣れきった日本人にとっては、あいさつ一つにも『主導権争い』を強いられる中国語の世界に入っていくのは、それなりの心構えが必要なのかもしれませんね。


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